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この本の背景

 共著である。伊藤裕一氏とは永い友人で、様々なプロジェクトを一緒に組んでやらせていただいた。

 グローバル・ビジネスリーダーもその一つである。
 グローバルといってもローカル人材がしっかりオペレーションをしないと仕事はまわらない。
最初はインターナショナルかもしれないが、いずれマルチナショナルになる。今では、現地での設計、現地での研究・開発も多く行われるようになっている。マーケティングは特にそうだろう。
 
 グローバルでの人材マネジメントはどうしたらよいか・・・よくある課題である。我々の答えは、共通言語である。戦略、マーケティング、財務などマネジメント全般で共通言語がないと、グローバルでのローテーションもできない。価値観はエリアによる事業特性は多様であっても、ビジョンや思考のフレームワークは共通であった欲しい。
 
 この本は、SWOTを中心に、財務シミュレーション、行動計画まで事業全般をまとめている。その割にはコンパクトだと(勝手)に思っている。必要なものに絞ったからだ。以前、執筆した「事業計画立案のための実践プロセス  K-SWOT®」がベースにある。


 下記は本書の~まえがき~である。


本書における基本的な問題意識は、「企業が直面する世界は常態的に(時として劇的に)変動し、ますます読みづらくなる」という点にある。言い換えれば、「自社を取り巻く外部環境情報について、常にアップデートし、それに適合すべく自社の経営資源の評価と見直しを、適切な頻度で実施していかない(いけない)企業は淘汰される」ということである。もともと、優れた企業とは外部環境に選ばれている企業であり、不要とされた企業を、救済しようと思えば、莫大な資金と時間が必要となり、しかも、再生するかどうかの保証はない。こうした現状となっている背景には様々な要素が存在するが、本書のタイトルにも付した「グローバル」という視点に絞って以下、少し考えてみよう。

 グローバル化という言葉が語られるようになって久しいが、その意味合いは微妙に変化しているように思われる。企業のグローバル化とは、今日の意味では、例えば、メーカーであれば、原材料の調達からエンドユーザーの開発に至るまでの一連のプロセス全てにおいて、地球規模に広がっていない部分を見つけるのが困難になっているような状況を指すのだろう。嘗てのグローバル化、或いは、国際化という概念は、このプロセスのどの部分を日本以外で展開すべきか、という思考であったと思う。今日では、どこまでがグローバルで、どこまでが国内か、ということを特定することは困難であり、また、それは意味のないことである。更に、どこまでグローバル化するか、といった意思決定権そのものも、各企業内には既に存在せず、企業として存続していくためには必然、或いは待ったなしの状況となった。そもそも、日本のXXX社という時代ではなく、地球上では、単にXXX社であり、企業のグローバル化の範囲が国家という概念を凌駕している場合も多く見られる。

 こうしたグローバル化した環境における経営の意思決定において重要な要素は、豊富で関連性の高い真正な情報である。グローバルな環境で、企業が存続すること、ましてや、競争優位を維持するには、グローバルな環境の多様性を、多様なまま、オープンな姿勢で理解することが必須であろう。地球のあらゆる場所に拡散した多様な社員によって、多様な場所そして組織内の様々な階層から発信される多様な情報を、新鮮で多様なまま捕捉し、それらを、ローカル、価値連鎖全体、或いは(そして)、本社なりホールディング・カンパニーのレベルでインテリジェンス化し、それに対して各レベルにおける経営資源を見直し、最適適合を図る=つまり、戦略を常にアップデートしブラッシュアップする。これを、適度に頻繁に実施していくことが、最初の問題意識とした、「常態的に、(時として劇的)に変動し」、「読みづらく」なった外部環境に対する最良の対応策である。

これを実現するにはグローバルに共通した優れた分析ツールが必要である。しかし、それが構造的に複雑だったり、習熟するのに相当な基礎知識や時間が必要だったりするのでは、世界の絶え間ない変動に対応できない。情報の現場での捕捉者であり、発信者である社員の多様性とは、文化的、社会的、経済的、宗教的、教育的、言語等において、文字通り多様である。分析精度は高いが、ツールの方から、その対象を選り好みするようなツールでは失格である。地球規模の組織で共用、共有する分析ツールは、でき得る限りシンプルで直観的なものが相応しい。SWOT分析とは、まさしく、シンプルで直観的な分析ツールである。今回、SWOT分析に改めて、スポットライトをあてたのはそこが理由である。更に、SWOT分析は、無駄をそぎ落としたシンプルさを持っているが故に、より高度なツールへと磨きあげようと思えば、いくらでも、高性能化できるのが特徴であり、そういう意味で、ツールそのものに多様性に対応する多様性を秘めている。

 以上のようなことから、本書では、マネジメントの実践、コンサルティング現場、企業研修、経営幹部教育、更には、大学・大学院における教育において磨き、活用してきた様々なSWOT分析手法を、多様性というキーワードで整理したものである。SWOT分析が有効な場面を可能な限り想定し、理論的な厳密さを求めるより、現場での活用ということを第一義的に考えて提案した内容であり、読者の現場で縦横無尽に活用されることを心より願っている。

 

2013年正月

グローバル時代の多目的SWOT活用~もくじ~

vswot.jpg

第1章       SWOTの再評価

第1節       SWOT分析の意義

1.変化するグローバルな経営環境に対応する

2.持続的競争優位性をもたらす経営戦略

3.戦略の鮮度を保つ

4.変化するグローバルな経営環境で再認識されるSWOT

 第2節 SWOT分析の短所と長所からの学習点

1.SWOT分析の短所から学ぶ

2.SWOT分析の長所から学ぶ

 

第2章       V-SWOTの基本設計

第1節       V-SWOTの設計手順の流れ

第2節       V-SWOTの設計手順~書くステップの解説~

1.ステップ1 実施したいSWOT分析の概要を明確に

2.ステップ2 実施概要に照らし合わせて各設計基準項目のレベルを定めて設計方針を決める

(1)  6つの設計基準項目

(2)  実施概要、設計基準、設計方針の例

3.ステップ3 各設計基準のレベル+設計方針に基づく、設計すべきプログラムのV-SWOTレベルを決定する

4.ステップ4 ステップ3で決定したV-SWOTスケール上のレベルに対応する事例を参考に、実施概要に最適なSWOTプログラムを開発する

5.ステップ5 実施概要の分析や研修に関わるすべての人々に、実施概要、設計方針、最終プログラムを説明し理解を得る

 

第3章       SWOTスケルトンと主要な補完的ツールのセット

第1節       分析の骨組みとしてのSWOTスケルトン

1.SWOTスケルトン1 ビジネス・ドメイン・外部環境分析における範囲の確定

(1)  ビジネス・ドメインによる確定方法

(2)  MVVとビジョニングで行う方法

2.SWOTスケルトン2 外部環境分析(PESTCCBP

(1)  PEST分析による方法―マクロ的外部環境分析

(2)  CCBPによる方法―ミクロ的外部環境分析

3.SWOTスケルトン3 内部環境分析:強みと弱み

4.SWOTスケルトン4 SWOT交差分析

第2節       分析の精密化と成果品質向上のための主要な補完的ツール

1.補完的ツール1 ファイブ・フォーセス:自ドメインを再検討したり、外部環境における脅威を確定する

(1)  ビジネス・ドメインを再検討する

(2)  外部環境における脅威の確定に応用

2.補完的ツール2 VRIO分析:持続的競争優位性のある真の強みを確定する

(1)  VRIOに沿った評価法

(2)  VRIO分析の評価からわかること

3.補完的ツール3 バリューチェーン:顧客への価値提供プロセスでコア・コンピタンスを模索する

 (1)V-SWOTにおけるバリューチェーンの発想

 

4章 V-SWOTスケールの事例

  第1節 探索的SWOT分析(1)

    V-SWOTレベル1 航空会社のケース

2節 探索的SWOT分析(2) V-SWOTレベル2と3の進行例

    サービス業での進行例

 

5100SWOTの実施概要

第1節       100-SWOTの位置付と実施概要等

(1)100-SWOTの位置付

(2)100-SWOTの実施概要、設計基準、設計方針

  第2節 100-SWOTの記入例

1.外部環境と内部環境より戦略的要素を抽出する

(1)  機会と脅威のサンプル

(2)  強みと弱みのサンプル

2.SO戦略、ST戦略、WO戦略、WT戦略のポイント

(1)  SO戦略

(2)  ST戦略

(3)  WO戦略

(4)  WT戦略

3.選択と効果及び作成上の留意点

(1)  選択

(2)  100-SWOTの効果

(3)  100-SWOTの留意点

 

6章 確認的SWOT(その1)~現状と目標のSWOT

  第1節  K-SWOT®と実施概要

(1)   K-SWOT®の実施概要、設計基準、設計方針

第2節       K-SWOT®における4つのツールセット

1.IEF(Integrated External-Environment Factor

(1)  フォーマットの作成方法

2.競合他社比較分析(Competitive Profile)(外部/内部環境分析)

(1)  フォーマットの作成方法

3.IIFIntegrated Internal-Environment Factor

(1)  フォーマットの作成方法

4.多属性モデル(Multi Attribute Analysis

(1)  フォーマットの作成方法

第3節       K-SWOT®の位置づけと留意点

 

7章 確認的SWOT(その2)~財務からの検証~

  第1節 確認的SWOTにおける3つのツールセット

1.資産リスクからの目標営業利益

(1)  貸借対照表からリスクを逆算する

(2)  資産リスクから目標営業利益を逆算する

2.売上予測とフリーキャッシュフローとNPV

(1)  SWOTとの関係での留意点

(2)  財務シミュレーションの留意点

3.リアル・オプション

 

8章 行動計画のためのSWOT

  第1節 行動計画までのプロセスを振り返る

1.現状IEFと目標IEF,現状IIFと目標IIFのギャップの確認

(1)  現状IEFと目標IEFのギャップを確認する

(2)  現状IIFと目標IIFのギャップを確認する

2.目標SWOTからの行動計画へ展開

(1)  目標SWOTについての例

(2)  目標多属性モデルツールの活用

2節 行動計画

1.資源配分の重要性

2.計画を実行するためのプロセス・デザイン

3.時間資源配分と人材要件

(1)  業務をT型とS型に分類してみる

(2)  時間計画を立てる際の注意点

(3)  時間資源配分の年間時間から個人時間までのステップ

(4)  課長層クラスにとってのツール

 

*参考文献

*索引