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この本の背景

 この本は、「組織文化診断と組織開発」とセットで執筆したものである。「組織文化診断と組織開発」は研究会参加企業との共著であり、一般社団法人企業研究会の組織開発研究会として執筆を行った。

組織開発は一つの経営学の領域であるが、戦略やマーケティング、財務などと比較すると話題の中心にはならない。よって、書籍も比較すると多くはない。また、モラル・サーベイ的なものが一般的に浸透しているためか、私見ではあるが、組織開発が本来求めるものとは異なるような気がする。

 80年代に組織文化診断を開発し、コンサルティングの前段階として活用してきた。理由は、同じ経営手法がうまく導入される企業とそうでない企業があることを経験的にわかっていたからである。
戦略を立案、事業計画、PDCA、リーダーシップ・・・全てに組織開発は関与する。組織文化を知らずして、全ての対策は失敗する可能性があるといっても良い。

 どうせコンサルタントが書いているものだから怪しいのではないか・・・私でもそう思う。そこで、組織開発の歴史やこれまでの理論について整理と紹介を1章にした。
 コンサルティングは実践である。よって、実践を通じて、様々な検証、学習を蓄積することができる。例えば、戦略に対する回答は3択か5択かといったものも極めて重要だ。組織文化とは行動様式なので、そんな感じなの?という設問では対策に繋がりにくい。仮説のない現状分析にはムダが多い。
 感覚からひも解くことは重要であるが、因果を視覚化し対策に繋げるための組織開発であれば、つまり実際に経営を考えるならば、具体的な行動様式を問う設問であなければいけない。よって、回答は3択で回答しやすい。また、曖昧は最大の敵である。だいたいOKというのは、「実施されない」考える。回答する人にもよるが、「できるだけ頑張ろう」「やれるかどうか自信はないけど、やってみよう」と思っている時点で、それは実行されない。覚悟を問う必要がある。それは具体的な計画や行動に見える形で現れる。単に「現状分析」をして・・・といった内容のないスケジュールとは全く異なる。

 そこで、組織開発ではどんな対策を講じるのか、モデル的に5つの課題と称して紹介することにした。パッケージソフトを導入するようなものとは全く異なることに気づいていただきたい。
 ITシステム(ソフト)を使った改善などが一般的になってきた。それを否定するものではない。しかし、コンサルティングからは遠ざかっているように思えてならない。



組織開発~理論と実践の基礎~もくじ~

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「組織開発 論と実践の基礎」~5つのマネジメント課題と対策~(産業能率大学出版部)2011年

第1章 組織開発の診断モデルとフレームワーク
 1 組織開発の発祥~初期モデル
 (1)ホーソン実験
 (2)産業心理学
 (3)サーベイ・フィードバック技法
 (4)T-グループ(感受性訓練)
 (5)組織開発とは

 2 組織開発の発祥~1970年代の組織診断モデル
 (1)ワイズボードの6ボックス組織モデル
 (2)ナドラー/タッシュマンのコングル―エンス・モデル
 (3)リッカートの組織特性のプロフィール・モデル
 (4)ブレーク/ムートンのマネジリアル・グリッド
 (5)レビンソンの臨床アプローチ
 (6)組織診断モデルの共通認識
  
 3 組織開発への動き
 (1)組織開発の定義
 (2)競争優位から市場優位そして学習優位へ
 (3)学習する組織
 (4)環境学習、知識学習そして感情学習へ
 コラム コーポレート・ガバナンスも文化
 (5)戦略と組織能力
 (6)組織形態における組織開発の位置づけ

 4 組織開発のフレームワーク
 (1)直接法と間接法
 (2)組織開発への接近
 (3)組織開発のレベル
 (4)ダイナミックな組織開発へ

第2章 組織文化診断のフレームワークとアンケート方法
 1 組織文化とは何か
 2 組織文化診断のフレームワーク
 (1)マネジメントのフレームワーク
 (2)組織文化診断の領域
  領域①~⑥の設問イメージ

 3 アンケート方法
 (1)主語別の「はい率」からみえてくること
 (2)行動を問う設問
 (3)3択か5択か
 (4)標準設問とオリジナル設問
 コラム 設問設計に1か月
 (5)全体スケジュールを示す

3章 マネジメント課題と対策
 課題1 ホワイトカラーの生産性を高めたい
 課題2 当社は部品メーカー、競争力を高めるにはどうしたらよいか
 課題3 制度も整備され社員もまじめだか、PDCAが徹底されない
 課題4 スコアカードを上図に導入したい
 課題5 グローバルでDNAを共有するには